【骨盤を立てて座る】ってどういう事?坐骨で座るのは案外難しいというおはなし

日本人は座っている時間が世界一長いと言われています。

塾生が新聞の切り抜きを持ってきてこんな話題で盛り上がりました。座っている時間が長いと、糖尿病や心筋梗塞など成人病・生活習慣病のリスクが高くなる。統計の結果、日本人は世界最長の座り時間を有しているので改善が必要。先進の企業では立ってデスクワークを行...

有訴者率1、2位を争う腰痛・肩こりを含め、生活習慣病の最大要因でもあるのが【座り過ぎ】。だけれど「好きで座っているわけじゃない」人が沢山居るのが現実なので『座るな!』以外の解消法を真面目に考えたら、やっぱり【なるべく骨盤を立てて座る】のが良いという結論に至りました。
だけどね、実際難しいのですよ、骨盤を立てて座るのって。

座るとは果たしてなにか。座ることで生じる事実を踏まえ、極力身体を壊さず座っていられうような情報を提供する所存でございます。
最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

まず座り方のアレコレ

明治時代、文明開化以前の我が国では大半の人が畳や床板に座っていました。

手力整体は座揉みスタイル

手力整体はいわゆる【座もみ】スタイルです

畳や床には色んな座り方が出来ます。
代表的な、正座・胡座・横座り・女の子座り(割座)、長座の他にも、体育座り・片膝立て・跪坐(きざ)・半安座・蹲踞(そんきょ)・投げ足・うんこ座りなど、文化や宗教によって様々な座り方がある。

エジプトでは片膝を立てて食事をするのが習わしみたいですが(香港在住のエジプシャン、メタさん情報)、韓国や日本でも昔々は片膝立てが正式な座り方だったそうです。(このエントリを書くにあたり発見したWikiの座法ページが面白かったです)

実は結構それぞれに意味があるわけですが、現代では皆さん単に好きな座り方をしていると思います。

畳や床に座る場合男性の大半は胡座ですかね。女性は横座りが若干多いように思いますが、体が柔らかく可動域が広い人だとジッとしているのが苦痛なので、両膝抱えたり女の子座りになったり胡座になったりと目まぐるしく座り方を変える人も居ます。
色んな座り方が出来ること、関節の可動が大きく重心移動も大きいのが、畳や床に座る際の特徴です。

対して椅子へ座る場合は、関節可動も重心移動少なくなります。ちゃんと座ったとしても股関節&膝関節は90度の屈曲で済む。立ったり座ったりする際『最大屈曲⇔最大伸展』が必要な畳・床に比べらたら随分楽ちんです。

んが、最大の曲げ伸ばしや大きな重心移動が出来なくなる可能性をはらんでいるのは当然のこと。バリエーションが少なく、畳・床以上に『いつも同じ』座り方に成りがちでもあります。

椅子でも両膝を抱えたり胡座をかいたり出来ますが流石に仕事中は無理でしょう。だから尚更、長時間のデスクワークや運転は血行不良を生じやすく肉体にとってキツイのであります。

骨盤を立てて坐骨で座れないのは何故か

『正しい座り方』などのキーワードで検索をかけると、『骨盤を立てて』『坐骨で』『90度で』などというタイトルが並びます。

私達に意思や感情がなければ、卵を立てるがごとく、坐骨を支点にバランスを取って骨盤を立てられるはずですが、ありがたいことに命を宿している生き物なので、意思や感情が物理を超越してしまう事が往々にしてあります。だからこんなにもいろんな形の人が存在し、居心地良いと思える姿勢や動作も人によってまちまちなのです。

実際、坐骨を支点に骨盤を立てて座るのはかなり難しい。何故なら坐骨は尖っていて「座りの良い形」では無いからです。

坐骨はどこにあるか

余談ですが、何故か皆さん良く口にする「尾てい骨」というものは解剖学上存在しません。その辺にあるのは坐骨・尾骨・仙骨・恥骨だけです。(3Dフィギュアの仙骨が何故か随分めり込んでるので書き足しております)

坐骨で安定して座れないもんだから、多くの方が尾骨を着けて座ってしまう。

尾骨・仙骨座り

いわるゆ仙骨(尾骨)座り。こうやって座ると悪循環が急加速して進んでいきます。

坐骨が無理なら恥骨で座る!

本人に不都合がなければ何でも良いので『正しい座り方』というものは存在しませんが、1日の大半を座って過して腰痛や膝痛や足のむくみや冷えやその他諸々何かしらの症状が現れているとしたら座り方を見直す必要があるというサインです。

今何事もなくても、尾骨・仙骨座りでは背中から腰にかけて膨大な負荷が掛かっていることは間違いなくほぼ必ず不都合が出てきますから、【恥骨で座る】イメージを持つことをご提案いたします。

坐骨は尖っていて座りの良い形ではありませんが、坐骨枝と恥骨下枝がつながる辺りは平なのです。

恥骨で座る

あくまでイメージですが、恥骨で座るくらいにすると脊椎の生理的湾曲も維持しやすく、背中や腰の負担は大幅に減らせます。

ただし腕を前方で使う場合はアームレストやハンドルに腕の重さを任せてしまうことが重要。じゃないと腕の重さ(片腕3kgほど)を肩の関節だけで支える事になるので肩周りの筋肉が悲鳴を上げます。
腕を前に出した分シーソーの要領で丹田は後ろに下がり背中は丸まるのが【自然】。だけど背中が痛くなるから背中で腕を持たないようにアームレストは必須ってことです。

二足で直立するために私達の背骨は垂直に重なり生理的湾曲が生まれました。この構造のおかげで、不安定ながらも力を抜いて居られる特権を持っています。この特権を座っているときにも活かすため、坐骨よりも【恥骨で座る】イメージを持っておくと良いでしょう。

*恥骨で座れない方は既にお尻がガチガチに固いはず。コリを解いてストレッチが必要です。

座ると膝が曲がるという事実

坐骨での座り難くさとともに、座ることで生じる共通した問題が【膝が曲がってしまう】という点。【長座】で座る以外、何処へどんな座り方をしても膝は曲がってしまいます。

この時、膝を曲げるための筋肉に力は入っていません。受動的に短縮はさせらているけれどチカラは入っていないので痛みが出ることはまずありません。けれど、ずっと短縮させられているので次第に筋繊維が絡まりだし伸びなくなっていきます。伸びの悪くなった筋肉を伸ばそうとした時はじめて痛みに気付き、思わぬところが連鎖的に引っ張れて歪んだ身体が出来上がっていくわけです。

座るトラブル全部解決!?するかもしれない椅子

骨盤を立てて座りやすく、上半身を立位と似た状態に保てる「バランスチェア」なる椅子がいっとき流行りました。

バランスチェア

確かに骨盤は立ちやすかったですが、ずり落ちないように当てている膝が痛くなったり、角度が中途半端でやっぱり尾骨・仙骨で座ってしまったり、【膝が曲がる】という問題も見過ごされていました。

【坐骨は不安定・膝が曲がる・下肢の筋肉を使わない】

座る際に生じるそんな問題を一気に解決してしまうかもしれない椅子を不詳パンチ伊藤が真面目に考えてたらこうなりました↓。

パンチ伊藤が考える理想の椅子

坐骨と尾骨で座ったら安定するという事実を逆手にとる!膝と合わせて足首もしっかり伸展!むろん腕の重さはデスクやアームレストに任せる必要がありますが、座ることで生じる問題の殆どを解消できるのではないかと目論んでおります。どなたか家具職人さんとかお知り合いにいませんかね。

近頃はスタンディングデスクもアチコチに出現しているようで立っているのが苦じゃない人はそれも良いと思いますが、立ち方が下手だと新たな問題が出てきます。ワークスペースを2、3ヶ所に分けて出来るだけ『いつも一緒』にならないようにするのが理想なんだけれど、抜本的な座り方改革が出来る椅子の開発は、この国が抱える生産性とか健康保険とか結構色んな問題の解消に一役買うんじゃないかと思うのであります。

なんなら電車の椅子もこんな感じにしてしまえば、大股開いて座る事もできないし脚組むこともままならないので、みんな行儀よくスタイルも良くなっていくんじゃないですかね。

先日SNSでこんな話題が目につきました。発端は東急電鉄『いい街いい電車プロジェクト』で駅に貼り出されたポスター。同サイト『私の東横線通学日記』なるコーナーに動画も掲載されていました。ま、はっきり申してこんなことでいちいち目くじら立てたり反論したりして...

『人間工学に基づいた』なんて肩書の椅子がアチコチに散見されますが、筋肉と物理を繋いだ整体師から見たらイケてる椅子は未だにありません。歯医者さんの椅子とか飛行機の椅子とかなんとかしたいゼー。

まとめ

ワタクシが思いついた椅子が商品化されるまで、出来るだけワークスペースを数箇所にわけるなど座り方を一定にしない工夫をしてみて下さい。座る時は坐骨じゃなく恥骨で。

気を抜くとすぐに尾骨・仙骨座りになっちゃう人は、殿筋・ハムストをガッツリストレッチして、坐骨から尾骨にかけてのところに丸めたタオルでも充てがってみて下さい。間違っても「骨盤なんちゃら」なんてもんは買わないように。ゴミが増えるだけですよ!

骨盤が寝ないように丸めたタオルを挟み込む

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