【バドミントンで肩を痛めた】痛みの本質と筋肉の生理を踏まえると解決策が見えてきます

【バドミントンで肩を痛めた】痛みの本質と筋肉の生理を踏まえると解決策が見えてきます

『バドミントンをしたら肩の後ろ辺りが痛くなった』先日の教室でそんな話が出たので皆でアレコレ言い合いました。

ソコへ負担が集中するから痛む

痛いところから考えてしまうと理由が後付けになってしまう。後付けの理由から更に考えたところで『おそらく○○筋』という曖昧な目星しかつかないのでダメです。

まずはとにかく痛みが発生した動きでの各関節動作を正確に分解していくこと。この手間を省いていくら考えてもただの妄想ですし、この手間こそ整体師の大切な役割のひとつ『身体の声を訳す』なのです。

で、バドミントンにおける肩関節の動作を分解してみたら、使っている筋肉と痛んでいる筋肉がどうにも合致しない。ここでまた妄想に走っては意味がないので、痛みや筋肉の基本的な生理を思い出します。

  • 痛みは警告の感覚
  • 痛みは筋肉の酸欠
  • 短縮性収縮→等尺性収縮→伸張性収縮の順で筋肉にとって負荷が強い

本質は簡単です。
痛むのはその筋肉へ強い負担が集中して掛かったからです。ただし、その筋肉に負担がかかる理由は沢山あって単純ではありません。代表的なのは

  • 強い負荷が掛かる伸張性収縮で筋肉を使った場合
  • 主動に対する拮抗筋に柔軟性が無く抵抗になっている場合(弛緩してない、弛緩しても伸びない)
  • 共働するはずの筋肉が怠けている場合
  • そもそもその筋肉を普段動かしていない場合
  • 連動するはずの関節(筋肉)の動きが悪い場合

バドミントンでラケットを上から振り下ろす際、肩関節に生じる動きは『伸展・内転・内旋』です。言い換えれば肩関節の『伸展・内転・内旋』に作用する筋肉が主動で短縮性収縮をします。

思い切りラケットを振り下ろした際、主働筋の作用だけでは自分の脚あたりを強打するか肩が抜けるハメになるので、拮抗筋を伸張性収縮(伸ばされつつも力が入っている状態)させて動きを制御する必要があります。使っている意識も感覚もありませんけれど、危険を回避するために筋肉が勝手に働く【反射】が生じているのです。

こうやって紐解けば『バドミントンをしたら肩の後ろ辺りが痛くなった』のは、ラケットを振り下ろす動作の拮抗筋にあたる、肩の『屈曲・外転・外旋』筋のどれかに強い負荷が掛かったのだろうと根拠ある見当がつきます。(怪しい筋肉はこちらで検索!)

ちなみにテニス肘はバックハンドの際に前腕の伸筋群を傷めますが、バドミントンはフォアハンドで振り下ろす際に同じく前腕の伸筋を傷めます。テニスではインパクトの瞬間に、バドミントンでは振り切ったところで、総指伸筋長橈側手根伸筋に伸張性収縮が掛かるからです。

知らぬ間に起きている伸張性収縮

筋肉が痛みだすのは、縮まろうとしつつ伸ばされてしまう伸長性収縮が一番早い。ギアをドライブに入れた車のアクセルを踏みながら無理やりバックさせているようなものだから早々に痛んで当然なのです。

伸張性収縮は日常生活の中でも結構生じていますけど、いつどの筋に生じるのかシュチュエーションを挙げられる人は滅多に居ません。ほとんど意識されること無く生じていますからね。

階段や山道の下りで膝痛が出る理由を当たり前の解剖生理で明確にしました。肝は筋収縮の仕方と連動にあります。これでもう下りが怖くない!

共働するはずの筋がサボる

身体が1番壊れやすい【無意識・不意打ち】状態で、ただでさえ痛みやすい伸長性の負荷がかかって、頼みの綱の共働筋がサボっていたら・・・・。同じくらいのレベルで同じ動作を同じくらい繰り返して痛む人と痛まない人がいるのは共働(連動)の差が大きいのです。痛みを生じているところだけじゃなく視線をちょっとワイドにすれば、痛む人と痛まない人の動きの違うところがきっと見つかります。

原因はともかく、強い炎症のサインである【自発痛・熱感・発赤・腫脹】があるならまずは患部へのRICE処置が定番です。んが、そんなシチュエーションはあんまりないのが現実。プロ野球で32年間活躍したレジェンド山本昌選手は登板後のアイシングをしたことがないそうです

安全策と最善策は違う

野球やテニスで肘、サッカーやランニングで膝などの痛みを生じお医者さんに行けば、とりあえず安静を言い渡されます。医者の判断で続行して痛みが増しでもしたら何言われるかわかったもんじゃないから、お医者さんや指導者にとっては賢明な判断といえます。

『1日休んだら取り戻すのに3日かかる』とはスポーツでも音楽でも良く言われることです。練習の方向性が間違っている場合はあえて休んで修正が必要ですが、方向があっているなら1日休んだ分だけ遅れるのは間違いない。安静が長引けば長引くほどまったくもって本人の為にはならないわけです。

動物の中で人間と競走馬と飼い慣らされた犬だけが疲労骨折を起こすという説もあるので、痛みや違和感を訴える患者に対して『休みなさい』というのはお医者さんにとって当然の安全策。んがここ数年『ぎっくり腰でも休み過ぎは良くない』という指導へ変わってきました。痛みを止めるのと治すのは別。出来るだけ動いて酸素いっぱいで新鮮な血液を患部に送らないと治るものも治らないのであります。

繰り返さないための対策

  • 伸張性収縮が起きていることを知る
  • 患部にこだわらず広い視野で動きを見る(全身で動く)

本当のコリは共働するはずの怠けた筋にあります。患部だけをケアしたり鍛えたりするのは最悪なので注意されたし。

最後にもう一度言います。
肘が痒かろうが膝が痒かろうが痒みは『かゆみ』として処理されるのに、痛みだけ部位別に細分化されている事に疑問を持ちましょう。テニス肘、野球肘の他にも、ランナー膝、シンスプリント、インピンジメント症候群、ドケルバン病・・・・書きだしたらキリがないほど様々な診断名(傷病名?)があるのは何故なのか。皆さん一度考えたほうが良いです。

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『遊ぶように学び遊ぶように働く』
素のままの自分で誰かの役に立てば「生き方」はそのまま「働き方」になります。