屈筋群と伸筋群。それぞれの特性と意義

整体は一生勉強。
気づけばいつのまにか15年ほどこの世界にいるわけですが、未だほぼ毎日のように新しい気付きや発見があります。基礎中の基礎である筋肉に的を絞っていてもそうなので、色んな理論や手技を導入している人はさぞかし大変だと思います。ご愁傷様です。

凄いことに気付いて『悟った!』と思っても、またしばらくすると新しい事に気付く。ま、相手が生きものなので正解なんて無いわけで、お陰で飽きずに続けられる底なしの面白い世界です。整体。

屈筋群と伸筋群

整体の基本中の基本、筋肉に的を絞っている手力整体ですが、未だ筋肉のアレコレに気付くことがあって、新たにこんなカテゴリを作って分類やらなんやらを書き出しています。で、今回は屈筋群と伸筋群。

骨を積み木のように重ねて、全ての骨格筋をほとんど収縮させずに(力を入れずに)立てるのが私達の特権。筋肉が短縮も伸張もしていない“元の長さ”であるこの状態を解剖学的基本姿位と言います。筋肉に長短が生じていないのでアッチにもコッチにも自在に動ける、通称『0度』です。

屈筋群

短縮する事でその筋肉が跨ぐ関節が曲がる(屈曲)筋肉のカテゴリ。0度からの短縮で骨格を動かすことが出来ます。

伸筋群

短縮することでその筋が跨ぐ関節を伸ばす(伸展)筋肉のカテゴリ。0度から短縮させても骨格はあまり動かせません。

屈筋群と伸筋群

大まかに屈筋群と伸筋群を色分けしたらこんな感じ。赤が屈筋群。青が伸筋群。0度から筋肉を短縮させた時に、可動が大きいのはどちらか言わずもがな。

『登山は上りよりも下りの方がキツイ』自ら経験していなくても聞いたことはあると思います。別にコレ登山に限ったことではなく、普通の階段でも下りで膝の痛みを訴える人の方が多いのです。関節は関係ありません。筋肉にとって下りのほうが負荷が大きいからです。『...
  • 屈筋群は守りの筋群。力を入れて身体を丸める筋肉
  • 伸筋群は戦う筋群。身体を伸ばして外へ向かって力を出す筋肉

まずはコレだけでも明確に分けられていれば、肉体的、精神的に弱った時に身体がどう変化するか見えてくると思います。

無条件反射による違い

梅干しを見て唾が出るとかパブロフの犬とか、後天的に条件付けされる条件反射とは違い、危険回避のための元々備わっている反射が無条件反射。

整体師をはじめとするボディーワーカーが、自分以外の身体に変化を起こせるのは、無条件反射を操っているに他ありません。何度も何度も言いますが、反射を起こすための入力を行っているだけ。その辺のことは以前にも書いてあるのでそちらを読んでもらうとして、無条...

何か踏んづけて脚を引っ込めたり、熱いものに触って手を引っ込めたり、何か飛んできて身をかがめたり・・・。屈筋を短縮させて守りの体制を作るのが無条件反射です。
で、当たり前ですがその時伸筋群は弛緩している必要があります。『伸筋群弛緩&屈筋群収縮』が同時に起こるのが無条件反射なわけです。

他人の身体に変化を起こす整体などの療法は、反射を起こす為の入力をしているというのが実態です。反射以外に対象の身体を変えられる術はありませんからね。
無条件反射なら誰もがほぼ同じ反応をするので施術として成り立つわけですが、屈筋群と伸筋群では危険回避のために起こることが違う。それを意識して、入力(施術)をしている整体師さんがどれほどいるかというと、多分ほとんどいないと思います。当たり前過ぎて見過ごされているのです。

屈筋群は伸筋群の為にある?!

屈筋群が短縮すると0度からでも骨格を動かせますが、0度から伸筋群を短縮させてもすぐに可動いっぱいになるので骨格は大して動かせません。
構造上、100⇒50と短縮しながら働ける屈筋群と違い、伸筋群は100⇒130⇒100など、一旦伸ばされてからでないと効果的に使えないのです。

ストレッチはラジオ体操並みに皆が知っているセルフケア(自己整体)ですが、ラジオ体操並みに正しく広まってないのも事実。世間を見渡せば「ストレッチは身体に良くない」とか「ストレッチで痛めた」など否定的な極論もあるようですが、良いか悪いかはやり方とやる...

屈筋が一旦先に短縮して伸筋を伸ばす⇒伸筋が力を発揮する。つまり伸筋を効果的に使うために屈筋があると言っても過言じゃない。更に言うと、先に縮んだ屈筋を元に戻すには伸筋が伸ばされた伸筋が縮まる必要があります。『バランス』ってのは互いに引っ張り合い譲り合うことなのであります。

入れるが先か、出すが先か

出入り口とか呼吸とか、『先に出す』のが世の常です。出すから入る、それが真理。なので『力を入れるための屈筋が短縮して、力を出す為の伸筋を伸ばす』というところだけ切り取るとどうにも腑に落ちません。

んが、思いっきり視野を広げると、お腹の中で丸まっていた身体を誕生とともに伸ばして(伸筋を短縮させて)スタートを切るので、やっぱり出すが先なのです。

  • お腹から出て⇒墓に入る
  • 産声を上げて産まれ(呼)⇒息を引き取る(吸)
  • 伸筋を短縮し産まれ(力を出して)⇒屈筋を短縮して死ぬ(力を入れて)

にもかかわらず、いざ筋トレといえば皆こぞって腹筋やら腕立てやら“入れる”ための屈筋群ばかりをトレーニングしてしまう。いったいどれだけ死に急いでいるんでしょう(笑)。
『身体鍛える=腹筋・腕立て』というトンチンカンな発想は、あと10年位でうさぎ跳び同様過去の遺物になると思われます。はい。

3日の番組で、吉田沙保里の意外な「弱点」に出演者が騒然となった。一般的な女性より腹筋運動ができないそうで「意外と女の子ですよ」と吉田。坂上忍は「霊長類最強だよ!?」と驚き、松本人志も信じがたい様子だった

ひとくちに『筋肉』といってもそれぞれの特性や意義があるのだなぁと、今更ながらにあらためて感心しているパンチ伊藤です。身体凄い!

閑話休題。先日はじめて高尾山へ登ってみました。

高尾山

高尾山

人の多さにビックリ!したり何十年振りかのリフトなんぞにハシャイでみたりww。

高尾山

高尾山

天狗の向こう側でちょっと不思議体験してみたり、ミツマタはもう満開だったり。
色んなことが全部つながって勉強になっている今日此の頃です。

さて、手力整体塾は本日から今月の4日間集中講座スタートです。1ヶ月が早矢のように早くて驚いてます!

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パンチ伊藤
パンチ伊藤
12周年を迎えた小さな整体スクール手力整体塾を主宰しています、からだ応援団団長の釣りバカ整体師です。好きなこと得意なことに整体の知恵と技をプラス、個性を活かした働き方を提案しています。

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