ナックリングとはなにか ‐ マクロ・ワイド、2つの視野から探る要因と対策

犬の足で生じるナックリングとはなにか

手力整体塾で犬の整体師養成講座がはじまって早5年。(いやーー早い!)ありがたいことに受講生は80名を突破。今年(’19)に入って問い合わせや見学は一層増えているように思います。感謝感謝。

一応塾長の私パンチ伊藤は犬が大好き過ぎるので犬への施術は行いませんけれど、みなさんと一緒に犬の事を勉強させてもらってます。
で、お陰様で新しく覚えた「ナックリング」という言葉がどうにも腑に落ちないので、手力整体の理念に沿って分析・解説してみたいと思います。

このエントリを読めば、

  • ナックリングとは何か
  • 何故起こるのか
  • どうしたら良いのか

わかるようになります。

ナックリングとは何か

誰が名付けたのか知りませんが、まずは言葉の意味から明確しましょう。

【knuckle(s)】 ゲンコツ。グー。指を握り込んだ形のこと。拳状のものを指す場合もあります。
knuckle に ing がついて knuckling だと、形ではなく握ってる状態を表します。

つまり、ナックリングを解剖学に沿った正しい言葉に訳すと、指関節(MP・PIP・DIP各関節)屈曲という言葉が正解。人間の手で表現すると↓こうです。

ナックリングとは何か

ビジネス用語やネット用語も、意味を知らないまま使っている人を度々見かけますが、気持ち悪くないんでしょうか。横文字をスマートに使いこなしたい気持ちもわからなくはありませんけれど、どうせ専門用語を使うならきちんと意味を把握してから使うか、わかっている言葉で表現したほうが良いでしょう。

ナックリング ⇒ 指関節屈曲。
同様に、パテラ ⇒ 膝蓋骨脱臼 ですよ。

犬の人達がやたらと連呼する言葉。『パテラ』で検索をかけてみれば出るわ出るわ不思議なサイトの数々。そもそもは『パテラ』は膝蓋骨(膝のお皿)を指すラテン語です。『小型犬にパテラが多い』なんて気持ち悪いったらありません・・・

ナックリングの生理

手指の屈筋群を短縮させて意識的に握っているわけでは無いのに指が曲がってしまう時、人間の場合だったら脳梗塞とか前腕を走る尺骨神経・橈骨神経・正中神経、各神経の麻痺などを先ず疑うところですが、実際は、加齢に伴って単純に屈筋群が縮こまり伸びにくくなっているだけの事がほとんどです。

ちなみに、指を曲げるための筋肉がどこにあるかというと、この辺り↓

人間の解剖で申し訳ありませんが、【指を曲げる】ことだけに絞ると筋肉はこれしかありません。
注目すべきは、拇指・小指以外は前腕に始まる筋で屈曲しているということ。指を開いたり閉じたり(外転・内転)する筋肉は手の平に少しありますが、指を曲げ事に特化した筋肉は手の平にないのです。

で、犬の指はどこかっていうと・・・

犬の手

手根関節の先に4本の中手骨があって、その先からが指です。人間で言うMP関節の先、基節骨のところに肉球があります。
人間で言うMP関節とPIP関節のところに?を付けてるのは、そこを表す名称が存在しないからです。

コレは後ろ足ですが、中足骨がちゃんと4本!この先に指があって肉球があるわけですね。

関節を表す言葉さえないってことは、当然その関節を動かす筋肉も正確にはわかっていません。犬の解剖って未だこんな状態なのです。

何がどうなっているのか、何故なるのか、そこのところが曖昧なまま、傷病名が流布してたり治療法と称するのもが存在していたりすることを疑問に思いましょう。そこから勉強がはじまります。

ナックリングの実際

ここまでお読みくださった犬の愛好家さんは「犬ってグーできたっけ?」と疑問が湧いてきていると思います。【ナックリング=各指関節屈曲=グー】なわけですけど、そもそも犬は猫と違ってグーもパーも出来ません。拳を握れないんだからナックリングという表現はおかしいわけです。

犬の場合、指はもちろん手関節での屈曲・伸展さえもあまり自由じゃありません。ワンちゃんを飼っているなら確かめてみて下さい。彼らの手首(手関節)から先は結構プランプランなはずです。

前足にくらべたら地面を強く蹴る後足は結構動かせます。走っている犬のスロー映像を見ると、前碗のプラプラ具合と下腿の蹴り具合が良くわかりますね。

筋肉は退化(進化)してあんまり自由には動かせないけれど腱は残っているという状況が伺い知れます。腱に引っ張られて手首・足首が底屈している状態をナックリングと呼んでいるわけで、わざわざ小洒落た名前をつけずに『底屈』で良いと思うのですがね。

しかも犬の底屈は

前足:肘の伸展とセット
後足:股関節の伸展・膝の伸展とセット

で生じます。

ナックリング対策として履かせる靴?みたいなものや、手先・足先だけ診てケアしてもあんまり意味ないがないわけです。ケアするなら大腿や上腕、さらに視野を広げて肩甲骨や股関節をよく観察しましょう。

犬の整体師になるなら犬の身体を知ること

たっぷりしっかり走らせてあげればナックリングしません
しっかり運動してれば整体は要りません

犬は猫と違い、長距離の移動をするために手先・足先の器用さを捨てた。不要な動きを排除して長距離移動に適した四肢を手に入れたのです。

外傷で筋・腱が損傷していたり神経的な理由で生じているナックリングもあるでしょうから病院での精査は欠かせませんけれど、圧倒的な【運動不足】が原因で筋肉が凝り固まっている場合が大半でしょう。

祖先とされるオオカミは、時速30kmで7時間以上も走り続けられる長距離移動用の身体を持っています。しっかりと地面を捉えてない足がナックリングしてしまうのは、寝たきりのお年寄りの手足が丸まってくるのと同じことなわけです。

循環を生むために多様なものが必要なのに、人と犬には運動が全然足りてないから整体施術が必要なのであります。

只のマネ事で撫で回すだけなら高額な受講料を払ってスクールに通う必要はありません。相手が犬だろうと理由なく触っちゃ駄目。当たり前だけど「先生がココ触れって言ったから」ってのは理由になりません。

施術自体が出来るかどうかはあまり重要じゃない。それよりもしっかりと犬の身体を知りましょう。
どこがどう動くのか、何故そういう仕組みになったのか、進化の過程まで含めて知っておく。そうすれば本当に必要なことは自然と見えてきます。

ちなみに、猫の箱座りみたいになるワンちゃんは前肢のナックリング注意。膝を曲げずに歩くワンちゃんは後肢のナックリング注意です。

箱座り
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