犬の骨格標本作成中。脊柱の機能的な構造に惚れぼれするの巻き

15世紀。レオナルド・ダ・ヴィンチの頃からコツコツと解明されてきた人間の解剖生理。身体の大まかな構成がわかるまではあまり時間を必要としなかったようですが、それぞれがどのように機能しているのかという生理の仕組みは500年たった今も多くが謎のままなのであります。

体のことは未だ謎だらけ

身体の事に詳しい人はどこにいるか?

身体に詳しい職業を問われたらいの一番にお医者さんを揚げる人が多いと思いますが、残念ながらそうではありません。
身体のどこがどうなっているかといった解剖や、どうやって機能しているかという生理に関しては疎いお医者さんの方が多いのです。何故なら医学と解剖学・生理学は別物だから。

医大における医師養成課程はまさに『医学』。筋肉の概念すら学ばないそうです。

お医者さんは病気のプロであって身体や健康のプロではありません。病気の勉強だけで手一杯でしょうから致し方ないのです。
ちなみに医師国家資格の試験構成はこんな↓

必修の基本的事項・一般問題
必修の基本的事項・臨床実地問題(長文形式含む)
医学総論・一般問題
医学総論・臨床実地問題(長文形式含む)
医学各論・一般問題
医学各論・臨床実地問題

解剖や生理は自分で勝手に勉強するしかない。お医者さんだろうとたまたま身体に興味があるプータローだろうとスタート地点はほぼ一緒なのです。

身体のことに詳しい解剖学者、生理学者さんに負けず我ら整体師も身体に詳しくなくちゃいけませんが、逆に言えば傷病について詳しくなる必要はないのであります。ここ、あべこべになってる整体師さん多くありませんかね?

犬の解剖生理はどうか

人間でさえそんな状態なので他の哺乳類では尚更。しかもそもそもが家畜の為の獣医学なのでペットとして飼われている様々な動物については、獣医さんも自分で勝手に勉強するしかないのであります。

対象は今やほとんど犬猫なのに参考にするテキストは馬や牛豚。犬の骨格や筋肉がどうあってどう機能しているの知らなくてても獣医さんには成れるのです。

更に言うと、犬猫の解剖生理について勉強しようにも良質な参考書すらないのが現状です。

そこで頑張ったのが我らが犬の整体師養成講座講師小林。難しい洋書(和訳が如何ともし難い)を何冊も手に入れて人間の方の知識も合わせてまとめ直し、プレミアなテキストを作成。正直言って犬の整体養成講座受講料の大半はこのテキスト代と言っても過言じゃありません。

(テキスト欲しさに講座を受けて早々にスクールなど開校しちゃってる方がチラホラ現れてきてしまって非常に残念です。ま、やれるもんならやってみなって感じ。化けの皮はすぐ剥がれる。)

犬の整体開講4周年を迎える今年2018年。テキストだけでは飽き足らずついに骨格標本の作成に取り掛かりました。

人間の骨格標本ももっと良いのは出来ると思うのだけれど犬場合はレプリカだとオモチャレベルのものばかりだし、本物の骨のだとどこの馬の骨(犬の骨だけど)だかわからなくてちょっと気がひけるので、講師みずから実家で飼っていた犬の骨を掘り出してきたのであります。

『骨格標本 作り方』とか検索をかけると、鳥のなどで実際に作っている人が意外に居て驚きます。ちなみにざっくりとした工程は・・・・

  1. 骨を煮る
  2. 手作業で軟組織を取り除く
  3. 更に薬剤で軟組織を溶かす(ポリデント、パイプユニッシュなど)
  4. 脱脂
  5. 乾燥
  6. 漂白
  7. 組み立て

6の段階まで1人でやってくれた我らが講師に拍手!こんな人に犬の整体を習えるなんてラッキーですね!(本人は言いたがりませんが講師小林はそっち系の大学卒です)

機能的な構造が美しい

骨格の写真や図を穴が空くほど眺めている整体師が5人も寄ってたかって組み立てにあたったわけですが、分類するのも一苦労なら脊椎を順番通りに並べるだけでも至難の連続で、イメージと現実は斯くも違うのでありました。

各種セラピストの間で都市伝説のように語り継がれているアンナコトやコンナコトの現実を目の当たりにして、やっぱり実物を見るというのは何事にも代えがたいと実感しました。多少の個体差はあると思いますが、骨盤は開いたり歪んだりしません!と今まで以上に声を大にして言いたいのであります。証拠写真は・・・・ココへに載せません。

犬の骨格標本作成中@手力整体塾

どうしても人間の骨格図が頭に浮かんでしまって苦労した犬の脊椎並べ。人との違いはもちろん犬ならではの機能美に感心しきり。

骨格の機能美には終始感動しっぱなし

重力を垂直に受ける人間の脊椎と違い、常に直角に近い角度で重力が掛かる犬の脊椎はそれに耐えうる構造になっていました。ま、当たり前っちゃ当たり前ですけど、実際目の当たりすると思わず声が出るほど感心せざるを得ませんでした。

特に声が大きくなったのが環椎(頚椎1番)。

犬の環椎-骨格標本作成中@手力整体塾

写真上が環椎(頚椎2番)との環軸関節、下側が環椎後頭関節です。大サービスして縦方向はどうなっているかと言うと

犬の環椎-骨格標本作成中@手力整体塾

なんとも蝶ネジそっくりの形をしているのであります。頸の回旋動作のほとんどを環軸関節がおこなっているのは人間も一緒ですが、力点となる横突起の大きさと力の入れやすさから見るに、肉を食いちぎったりする際に力強く頸を(というか頭を)捻る必要があった事が伺い知れるのであります。

他にも環椎後頭関節や胸椎から腰椎への切り替わり方も絶妙で凄い。イキモノの構造は非の打ち所がありません。

形には理由がある。形は機能で決まる。骨は歴史とは良く言ったもんです。
(ちなみにアメリカには骨を綺麗にクリーニングして販売している会社があります。はい、人間のリアルなやつもあります。脚1本が$129って意外なほど安値ですね。頭蓋骨は$1850とやっぱりお高めです)

犬の体に関わる事を習うなら、犬の体に詳しい人から習った方が良いのは言わずもがな。実技の部分なんて正直どうでも良い。犬の骨格がどうなっているのか、筋肉がどうなっていてどう機能しているのか、そんな基本的なことを明確にしてお伝えしていくのが手力整体塾の犬の整体師養成講座です。

犬の整体師養成講座

そんわけで、犬の整体師養成講座月イチ土日コースだった19期が修了しました。今回も日本各地からの参加ありがとうございました。大切なことを履き違えないように基本を大切にしていってください。

実技だけに特化した療法や荒唐無稽な独自の理論じゃなく、きちんと現実に則した基本をマスターしたい方、一緒に愉しみましょう。

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パンチ伊藤
パンチ伊藤
12周年を迎えた小さな整体スクール手力整体塾を主宰しています、からだ応援団団長の釣りバカ整体師です。好きなこと得意なことに整体の知恵と技をプラス、個性を活かした働き方を提案しています。

遊びがあれば壊れない

柔軟な思考を生む『遊び心』は遊べる身体に宿ります。
好きなことを明確にして、遊ぶように学び、遊ぶように働ける人が育っている手力整体塾です。