日曜日の手力整体塾は久しぶりのトリガーポイント講座でした。
筋肉の生理を知り、幾つかの法則を知れば、トリガーポイントをわざわざ覚えなくても自分で探せるようになります。ついつい覚えたくなってしまいますが、必ず『何故か?』を繋いでおいて、芋づる式に次々と探れるようにしておきましょう。

トリガーポイント

痛みの元はMPS

誰もが認める日本のトリガーポイント第一人者石川県の加茂先生が、フジテレビ『その原因、Xにあり』にご出演なさってから、加茂整形外科医院は大変な混雑ぶりなようで、外来患者さん173人という記録を打ち立てたそうです。テレビって凄いんですね。

「筋骨格系の痛みはMPS(トリガーポイントに端を発する筋筋膜性疼痛症候群)です。」としながらも、3ヶ月以上続く慢性痛は中性感作(中枢性の痛覚過敏症)を生じている場合があるとするところが加茂先生のバランス感覚の良さ。

ところが極論で白黒付けたがる人はコレが気に入らない。以前先生のFacebookのコメントが荒れていて、思わず『お疲れ様です!』とコメントしちゃったほど。
痛みは●●だ!と言い切ることに大した意味などありません。言い切ったところで●●があっても痛くない場合の説明ができない。逆に検査で異常が見つからなくてもご本人が「痛い」と言っていれば痛いわけですしね。

テクニックはなんでも良い

トリガーポイントひとつとっても、注射から鍼灸、手技、ストレッチと様々なテクニックがあります。他の療法や手術まで合わせたら、痛みを取るためにおこなわれる施術はそれこそ星の数ほどある。なぜこんなにも沢山有るかと言えば、どれでも取れるしどれでも取れないからです。

プラセボ以上の治療はない。それが現実。
痛みの仕組みは80年代にほぼ解明されました。筋骨格系の痛みは筋のコリ、痙攣、こわばり、突っ張りです。構造(骨格や関節、椎間板などの変性)と痛みの因果関係は否定されているのです。にも関わらず、ヘルニア、脊柱管狭窄、変形性関節症などの手術は減ったとは言え今も行なわれる。で、稀に痛みが取れる人もいる。手術は最強のプラセボだからです。

強い痛み、長引く痛みは、中枢の痛覚過敏を生じる

痛みを最終的に『痛い』と認識している脳が過敏になる。脳が痛みを記憶してしまうとも言われています。
痛みはとても大切な感覚のひとつなので、通常それ自体は治療の対象ではありません。原因は他にあるわけですからね。んが、中枢性感作を生じている場合は痛みそのものが病気。神経因性疼痛などと呼ばれて痛みそのものが治療対象になります。

代表的なのが幻肢痛。
切断して存在しないはずの脚や腕が痛む幻肢痛には、筋肉のコリもヘルニアも関係無いので、痛覚過敏を生じている中枢の治療が必要になります。内容は結局プラセボ。脳を騙すとか記憶を書き換えるとかそういうやつです。

真のトリガーポイントは脳に出来る

明確なコリが見当たらないのにあちこち痛みを訴える人がいます。トリガーポイントを取り除けたのに直ぐにぶり返す人もいます。

  • 横向きじゃないと眠れない
  • 運動したくない
  • 私の腰にはヘルニアが
  • そんなストレッチ私には出来ない

幻肢痛も含め、本当のコリは脳にあるわけです。だからこそ『何をするか(What)』ではなく『どうするか(How)』『誰がやるか(Who)』が重要になります。凝り固まった石頭をほぐす万能のテクニックは無いのです。

テレビ効果もあって、トリガーポイント注射や療法を導入しようという病院や治療院が増えるかもしれませんが、只のテクニックとしておこなうところが増えたら『大した事ない』とレッテルを貼られてしまうかもしれません。(実際は医療点数が低すぎて大して広まらないと思います。)テクニックだけでなく、加茂先生の意思を継ぐお医者さんが現れることを願ってやみません。

トリガーポイントを不活性化できれば大抵の痛みは取れます。知れば誰にでも出来る簡単なものなのでそれ自体に価値を求めずに、自分なりの使い方を真剣に考えて欲しいと思います。テクニックは使いようです。

トリガーポイント講座

ちなみにワタクシは、身体の面白さや驚きを味わってもらう為にトリガーポイントを使います。脳のコリにも案外効きまっせ。