手力整体塾@からだ応援団のパンチ伊藤です。
『ふくらはぎの外側が膨らんでいる(ように見える)人は何がどうなっているのか』
そんな質問が出たので塾生の皆で考えました。大まかに2つの要因があるのではないかとまとまりました。

自然に直線は存在しない

文明、人間の意志が入った構造物以外、真っすぐなモノというのは存在しません。自然界に直線は決して無い。だから現代人が創造にかかわっていない所に直線があると、古代文明とか宇宙人の仕業ってことになるわけです。

自然に直線はない
ナスカとかね

山や海岸線など自然の創造物は、一見真っすぐに見えても視点や視座を変えれば必ず凸凹だったりたわんでいたりします。それが自然の摂理です。

真っすぐに見える角度
一見真っ直ぐに見えても
曲がって見える角度
視座を変えればたわんでる

つまり、脚をどこから見るか、そもそも脚の正面はどこか?というのがまず問題なのです。

脚のゼロ度

小学校の時に習った【気をつけ】。かかとを着け、つま先を少し開いて膝をきちんと伸ばして立つのが【気をつけ】です。

この【気をつけ】の時こそが脚のゼロ度。ふくらはぎはもちろん、下半身のの筋肉全てが元の長さで関節にも動きがない状態。膝とつま先が少し外側を向いているこの時、脚は正面を向いているのです。

多少の個人差はあれど【気をつけ】がゼロ度。これはもう人体の構造上決まっています。気をつけで立てば体重も自然と足裏へ全体にくまなく掛かっているはずです。
(膝小僧と母趾の向きが揃ってない人は膝を壊しやすいので注意です)

構造上のゼロ度で立って脚を本当の正面から見たら、それだけで、ふくらはぎの膨らみ・出っ張りが気にならなくなる人が多いです。

つま先を外に向けることを『がに股』という人がいますが、膝が伸びていればガニ股ではありません。つま先だけ内側に向けて膝の間が開いている方が余程ガニ股。蟹の足も良く見てくださいね。

ふくらはぎ外側が気になるならつま先は外向き!
美脚ニューヨーカーの爪先はみんな外向き

ちゃんと立っても内モモや膝、フクラハギがくっ付かない様なら本当のO脚やXO脚。膝がくっついてカカトが付かなければX脚です。ふくらはぎの外側が気になる人はXOの場合があります。

つま先を正面に向けたり内側へ向けたりしてたわんで見える角度から見ているから、ふくらはぎの外側が膨らんで見える場合が大半です。
恐ろしいことに近頃の小学校では【気をつけ】を習わないところもあるようです。ヒップホップダンスよりも役立つ体育だと思いますけれどね。

知らぬ間に筋トレ

骨盤の後傾を伴う良くある猫背とふくらはぎの外側の膨らみは似たような側面があります。

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座る為の骨『坐骨』で座って骨盤がきちんと機能していれば、背骨も理想の形をキープしやすいわけですが、座り方を間違えると、骨盤に引っ張られて背骨が大きくたわむ。これが良くある猫背です。

この姿勢だと、重力に押しつぶされないように脊柱起立筋など背中側の筋が必要以上に頑張って上体を支える事になります。つまり知らず知らずの筋トレをしているようなものなので背中の筋肉はどんどん盛り上がってきます。

猫背の脚

つま先が少しでも内側を向くと、小指側、足裏の外側へ体重が掛かるようになります。するとフクラハギの内側はコリが生じて使えない筋肉に成っていきます。そのままドンドン加速すると・・・・

フクラハギの外側が膨らんで見えるクロスの脚

こんな風に脚をクロスして、足裏を浮かせ外側の縁だけで立つようになります。ここまでいくとほとんど完全にふくらはぎの外側の筋だけで立つ事になる。猫背と同様、知らず知らずに筋トレが進み外側の筋肉ばかりがモリモリしてくるわわけです。

ちなみに、下腿の外側にはどんな筋肉があるかと言うと・・・・

ふくらはぎの外側をモリモリさせる筋肉

長腓骨筋・短腓骨筋があります。
足裏を外側に向ける『外反』という動作をメインにする筋肉ですが、つま先をピンと伸ばす深い『底屈』の際にも強く働きます。

底屈の筋肉といえば一般的に「ふくらはぎ」と認識されている下腿三頭筋がメジャーですが、下腿三頭筋が強く底屈できるのは『背屈位』から。底屈が進んで踵の上が凹みだしたら、そとくるぶしを支点として使える長短の腓骨筋にバトンタッチされます。

深い底屈は長短腓骨筋

つまり、つま先で必要以上に地面を押している人も、知らぬ間に長短の腓骨筋を鍛えているわけです。

身体を変えたかったら機能解剖を知りましょう

【わざわざ偏った使い方で筋トレしちゃってる】から、外側が膨らんでくるのです。

偏った筋肉を酷使していれば、張りや痛み、痺れが出てくるのも当然です。しつこい症状に良からぬ病気や神経うんぬんを考える人も居るようですが、ソコばかりずっと筋トレしてるから・・・・ってだけの場合が大半です。

身体を動かしているのは筋肉です。つまり骨の形を変えるのも歪ませるのも筋肉の成せる技です。筋肉は動きで育てられます。身体をどう動かすか・使うかで、筋バランスが崩れたり揃ったりします。

動きが変われば形が変わる

道具(身体)は使い方で形を変える。立ち方・座り方・歩き方・動き方で形が決まってきます。矯正するとかしないとかアレコレ悩まず、使い方を見直しましょう。

小難しい横文字や奇想天外な理論、最新の医療機器も要りません。大切なことは、誰にでもわかる当たり前の中にあります。ふくらはぎの外側が膨らんで見えたり、張りや痛みに悩んでいる人は、アレコレと悩む前につま先を少し外に向けて「キョーツケ」!で、そのまま歩けば無問題です。

脚を中心に日本人の姿勢を悪くしている最大要因が内股。これを撲滅すべく総まとめ的なエントリ書きました!参考にしてください↓

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書いている人

パンチ伊藤
あっとう言う間に整体師歴19年。現役で施術する傍ら小さな整体塾を主宰しています。当たり前な解剖生理と簡単な物理を繋いだわかりやすい身体の話が得意。釣り/山/島/音楽/映画/生きもの/が好き。2020年から自然農の畑やってます。

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