独立開業専門を謳う整体の学校手力整体塾では、3年ほど前から犬向け整体の講座を開催しています。手力整体の診方・考え方なら対象を人間に限定するのは勿体無いとか、ペット産業の方々が解剖生理の知識もなくマッサージしていることへの疑問とか色々ありますが、一言で言えば『面白いから』やっています。

『何故身体がそうなっているのか?』を考える時、人間の身体だけ見て考えていては見えてこないこともあるのですよ!

骨格から考える人と犬の違い

背骨(脊椎)の違い

人間も犬も、首が長~いキリンさんも、首なんて見当たらないクジラさんも・・・哺乳類の頚椎は大体7つです。クジラの頚椎はほとんど癒着してしまってますが、種類によっては7つの面影がちゃんと残ってます。

クジラの頚椎
(マナティー、ジュゴン、アリクイ、ナマケモノなど、7つじゃない哺乳類も居るには居ます)

あくまでもスタンダードの話しですが人間の胸椎は12、腰椎は5。犬の胸椎は13、腰椎は7。肋骨がくっついている胸椎に比べ動きやすい腰椎が2つも多い。
他の関節と違い椎間関節の可動は小さいので、良く動かすためには沢山連なっていた方が都合良いわけです。

ちなみに馬の胸椎は18、腰椎は5。腰椎は意外の少なさです。
草だけで数百キロの身体を維持するため胃も大きく腸も長い草食動物は、臓器を守る肋骨が多いわけですね。胸椎18ってことになっていますけど、肋骨突起(腰椎に見られる横突起みたいなもの)が長い腰椎なのかも?知らんけどww。

横から見てS字を書くような生理的弯曲というものは、直立二足のワタクシ達だけにあります。縦に重なる椎骨のどこかでショックを逃がさないと、いちいち脳ミソが揺れてしまいますからね。

生理的湾曲

鎖骨の有無

ワタクシ達と違い、四足歩行の哺乳類の多くには鎖骨がありません。鎖骨痕という突起はみられますが、肩甲骨と関節は形成されていません。

胸骨ー鎖骨ー肩甲骨

人の胸骨ー鎖骨ー肩甲骨

犬をはじめ四足歩行の動物たちの肩甲骨は、胸骨や肋骨と筋肉で繋がっているだけ。膝蓋骨(膝のお皿)の様に漂っているのです。

趾行、蹄行、蹠行の違い。鎖骨とカカトに隠された秘密
鎖骨とカカトに隠された秘密。走ることを優先させた四足歩行の動物の多くはカカトを地面から離したし趾行や蹄行。カカトを設置させて歩く私達二足歩行と同様の蹠行動物に見られるカカト以外の共通点が鎖骨です。

踵(カカト)

二足直立できる動物たち(人間含む)が踵を接地して蹠行(しょこう)するのに対して、犬や猫、ライオン・トラなど、肉食・雑食動物の多くはカカトを浮かせたつま先立ち状態で趾行(しこう)しています。あのプクプクして気持ちの良い肉球は指の腹なのです。肉食よりももっと早く・長く走らななきゃならない草食動物は更に指の先っぽでの蹄行(ひこう)です。

近頃は人間界でも、踵を着けずにつま先で走るがもてはやされているようです。ランナーが趾行や蹄行に憧れるのはわかりますけれど如何なもんでしょうね。

犬と人間の機能解剖を比較して見えてきた重要なこと
整体の勉強をしているのに人間の身体しか見たり考えたりしないのは、腰痛を取るのに腰痛の事だけ考えるのと同じ。『木を見て森を見ず』では“気付く”楽しさも半減します。木も見る、森も見る。マクロとワイドを柔軟に。犬と人間、肩甲骨・鎖骨の比較ジュラシックパー...

股関節、肩関節の可動域

人も犬も、股関節と肩関節は臼関節。臼の様な受け皿と球の様な骨頭で形成されています。

そんな構造からワタクシ達の肩関節と股関節が四方八方に良く動くのに対して、走ることに特化した四足動物達の肩と股関節はほぼ前後(屈曲・伸展)にしか動かせません。関節の形状は同じですが、開いたり閉じたり(外転・内転)、捻ったり(内旋・外旋)の筋肉が発達していないのです。

前腕の動き(回内・回外)

蹠行グループのワタクシ達は、手のひらを下に向け(回内して)食べ物を掴み、手のひらを上に向けて(回外して)口に運ぶことが出来ますが、押さえつけて口を運ぶ四足の彼等は、手のひらを上に向けることが出来ません。

橈尺関節の動き(回内・回外)

パンチ伊藤の解釈

骨格や機能の違いは、それぞれ独立したものではなく全て連関しています。

二足直立は、大きく重くなりすぎた頭を垂線上に重ねたのが発端なのかもしれませんが、進化論が揺らいでいる今元々この形だった可能性もあるわけです。
重力に対して無理なく無駄なく『骨で立てる』人間の構造からそれぞれ特化した形へ進化していったと思うほうが、天邪鬼としてはシックリもする(笑)。真逆の進化論ですな。

狩りや逃避の為に走ることを選んだ四足の動物達は、体中全ての筋肉を『走り』に動員できるよう、脊椎も多く、踵は地面から離れ、股関節、肩関節、前腕の無駄な動きを犠牲にした。勢い良く飛んだり跳ねたりしても、鎖骨がない(もしくは鎖骨が肩甲骨と関節してない)ので、前肢(手)から着地していれば骨や関節といった硬い組織を痛めない

犬種による多少の違いはあれど、飛んだり跳ねたり走ったりに特価した彼等の身体は、室内飼い全盛の今でも走るための構造を維持しています。ボク等の身体がデスクワークに特化した構造変化をしないのと同様、マンションで暮らすための進化は当分起きそうにありません。

整体師・セラピストなら、是非人間以外の身体も沢山見て欲しいと思います。色々な動物を見てそれぞれの『何故?』に気が付いたら、ボディーワークが一層面白くなること請け合いです。

人はいかにして直立二足を手に入れたか(半分妄想)
人はいかにして二足直立を手に入れたか。直立する時の大切な要素を知っておくと『健康』のために必要なケアが見えてきます。最重要は殿筋群と腸腰筋。その他は?

こんな本も楽しくてしょうがなくなりますww。

そんなわけで、犬の整体師養成講座14期木曜コース&15期土日コース元気に開催中!講師小林がまとめた大盤振る舞いなサイトもぜひご覧ください。

犬の整体研究所 ー 歪みのチェック方法

骨格から考える人と犬の違い

骨格から考える人と犬の違い

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